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タイトル
「記憶力を強くする」
池谷祐二著
本書は、「高校生の勉強法」の内容で書かれていた、記憶定着のメカニズムについて、もっと専門的に詳しく開設した本です。
著者は、「高校生の勉強法」でご紹介しました池谷池谷祐二さんです。
ちなみに、この本はブルーバックスというシリーズで、科学に関連する情報を、その道の第一人者たちに執筆してもらうことで有名です。
さて、本書の内容では、勉強することのみに観点を置いたものではないので、脳の中身について解説が詳しくなされており、脳細胞が年齢を重ねていくと減っていくことや、死滅する脳細胞はどういう細胞なのかが書かれています。
脳は使うと、どんどん鍛えられます。
脳が筋肉でできている、なんて運動神経がいいけど勉強が苦手な人を揶揄するフレーズがあります。
悪口はいかがなものかと思いますが、実質、脳も筋肉と同じように鍛えなくては使いこなせないので、内容的にあながち間違ってはいないと思います。
脳は筋肉と同じように鍛えることができる、と書きましたが、一方で当然、筋肉と同じように使わなければ衰えていきます。
学生時代はものすごく勉強したという人でも、社会人になって10年以上ろくに勉強してないと、脳の回転はかなり遅くなっているでしょう。
また、本書では、海馬についての話も詳細になされていて、記憶の定着に関するメカニズムが専門用語を交えて詳しく解説されています。
この本を読めば、復習が大切な理由に納得できると思います。
また、復習をするにも最適な頻度があり、そのタイミングで復習することで時間を最大限にセーブできることが分かります。
復習をしないことで、最初に勉強した時間が無駄になります。
逆に、復習をし過ぎると、他の勉強に使える時間が減りますし、記憶の定着のために必要以上の時間をかけている部分が無駄になります。
最適な復習を行うことは、時間を有効に活用するためには必須の知識なのです。
脳についての専門的な知識が欲しいという方は、この本を読んでみるといいと思います。
知的好奇心が旺盛な方に十分こたえられるほど、結構読み応えがあります。